1991年度(平成3年度)

棋譜並べ

1991/12/12 藤井猛四段—天野高志アマ(竜王戦)

感想 ついに藤井四段の竜王戦が始まる。藤井ファンにとっては愛着のある棋戦。初戦は恒例のアマチュア戦だ。将棋の世界は特殊なもので、奨励会という養成機関を抜けてきたプロ棋士にとって、アマチュア戦というのは絶対に負けられない戦いだと想像する。対局...
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1991/12/6 藤井猛四段—野田敬三四段(天王戦)

感想 野田敬三四段との戦い。何気ないことだが、ここで初めて対局場所に関西将棋会館が出てくる。 本局は藤井四段の先手四間飛車に野田四段の居飛車穴熊。早めに☗3七桂と跳ね、☖4四歩とさせたことで後手から急戦という選択肢を奪った。そして銀冠を早め...
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1991/11/29 真田圭一三段—藤井猛四段(新人王戦)

感想 『藤井猛全局集 竜王獲得まで』では真田三段とは2局目の将棋。 前局は銀冠穴熊対銀冠という持久戦だったが、本局は藤井四段の後手四間飛車に真田三段は右銀急戦を仕掛けた。☖4三銀型に舟囲い~右銀急戦という極めてシンプルな仕掛けで、アマチュア...
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1991/11/21 高田尚平四段—藤井猛四段(天王戦)

感想 高田尚平四段との対局。不思議と同じ棋士との対局が続くことがある。 天王戦は1992年まで行われていた棋戦。今の叡王戦と似ており、段位別の予選があり、各段から2名ずつ本戦進出者を決めていたようだ。 本局はまさかの相掛かり。高田四段が3手...
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1991/11/18 藤井猛四段—中田宏樹五段(棋聖戦)

感想 三度中田宏樹五段戦。 本局は藤井四段の先手三間飛車に中田五段が☖6四歩~☖7二飛~☖6五歩とあまり見ない仕掛けを敢行した。 これに持ち時間3時間の内62分を費やして☗同歩。☖8二飛(40手目)とされたところは一見後手が捌けそうに見えた...
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1991/11/12 飯田弘之五段—藤井猛四段(順位戦)

感想 飯田五段とは藤井三段時代に一度対戦したが、四段昇段後は初めてとなる。前局では飯田五段が振り飛車、藤井三段が天守閣美濃で、形勢が入れ替わる熱戦を藤井三段が制した。 ここまで飯田五段は3勝2敗、藤井四段は4勝1敗である。 本局は飯田五段が...
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1991/11/1 藤井猛四段—佐藤義則七段(棋聖戦)

感想 過密と言えるような対局スケジュールをこなしてきた藤井四段だったが、ここで少し間が空いた。本来10月16日に山口千嶺七段戦(棋聖戦)があるはずだったが、不戦勝で対局が無くなっている。 こういう時、棋士のファンにとっては「ラッキー」とは微...
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1991/10/12 藤井猛四段—中田宏樹五段(早指し選手権戦)

感想 再び中田宏樹五段との戦い。中田五段とは1991年度で3局も対戦する。 藤井四段の三間飛車に中田五段の☖5三銀左急戦。これまで並べた印象では、1991年は既に急戦は下火で居飛車穴熊や左美濃(天守閣美濃)が主流になっている。将棋の勉強を始...
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1991/10/8 藤井猛四段—高田尚平四段(順位戦)

感想 高田流左玉で有名な高田四段との順位戦。両者とも3勝1敗だ。 高田四段が☖8四歩と突かずに☖6二銀としたところで右四間飛車を悟ったか、藤井四段は16分考えて☗7八飛と三間飛車に構えた。そこからすぐ石田流に組み、☖5四銀に☗7七桂と対応し...
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1991/9/20 真部一男八段—藤井猛四段(王位戦)

感想 真部一男八段との戦い。 『将棋世界』に真部一男九段の『将棋論考』と河口俊彦八段の『新・対局日誌』が連載されていた時代、私はこの2つの連載を楽しみに『将棋世界』を買っていた。この二人の将棋の見方が自分の将棋の見方の元になっている。本局は...
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1991/9/17 植山悦行五段—藤井猛四段(順位戦)

感想 引き続き順位戦。植山悦行五段(1勝2敗)と藤井四段(2勝1敗)の戦い。 藤井四段は四間飛車に構えた。ここで初めて、☖3二銀~☖4二飛ではなく、単に☖4二飛が登場する。それに対して植山五段は☗5七銀左急戦に構えた。 ☗5七銀左急戦ではあ...
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1991/9/3 藤井猛四段—中田宏樹五段(順位戦)

感想 前節で痛い逆転負けを喫し、連敗を避けたい順位戦。1勝1敗同士の中田宏樹五段との戦い。中田五段とは2011年第70期B級1組順位戦の藤井システム復活の将棋もあって、印象的な対局相手の一人だ。年齢差はあまり感じていなかったが、藤井四段より...
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1991/8/26 森内俊之五段—藤井猛四段(新人王戦)

感想 勝浦九段の次に、その弟子の森内五段との対局という面白い対局順。藤井四段と森内五段は誕生日が近いが、四段昇段は森内五段の方が4年早く、藤井四段昇段時、森内五段は既に複数回棋戦優勝を重ねていた。若いころから将来を極めて有望視されていたこと...
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1991/8/13 勝浦修九段—藤井猛四段(全日プロ)

感想 勝浦修九段との対局。往年の名棋士との戦いが続く。 藤井四段の四間飛車に、勝浦九段は右四間飛車+天守閣美濃~米長玉銀冠に構えた。角道を止めず攻め味を見せつつ玉を堅く囲え、今でもよく指される。非常に手強い形だ。右四間飛車に対し藤井四段が腰...
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1991/8/3 森安秀光九段—藤井猛四段(早指し選手権戦)

感想 振り飛車党タイトル経験者、森安秀光九段との戦い。『藤井猛全局集 竜王獲得まで』には、今では本の中でしか見ることがない棋士との戦いも多い。棋譜が残っているだけでその棋士の姿を生々しく感じることができる。『藤井猛全局集 竜王獲得まで』の良...