1991年度(平成3年度)

棋譜並べ

1991/7/16 藤井猛四段—松浦隆一五段(順位戦) ※指し直し局

感想 千日手指し直し局。開始時刻は深夜0時43分。朝の10時から将棋を指し、いったんすべてリセットして、深夜に一から将棋を指し始める。改めて恐ろしい世界だ。この時藤井四段は21歳、松浦五段40歳。体力的な面でも、負け将棋を千日手にできたと言...
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1991/7/16 松浦隆一五段—藤井猛四段(順位戦) ※千日手局

感想 本局の結論を先に書くと千日手である。第53期王位戦七番勝負第1局の羽生善治王位—藤井猛九段の千日手を見て、千日手局にもその棋士の生き様が宿り、魅力が詰まっていると知り、決して蔑ろにしてはいけないと思うようになった。このブログは千日手も...
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1991/7/10 藤井猛四段—池田修一六段(全日プロ)

感想 池田修一六段との戦い。 ☗7六歩☖8四歩☗6八銀という意表の出だし。今日はこの形で行くと決めていたのだろうか。私は今まで相居飛車を全く勉強してこなかったので、池田六段の駒組みがどれだけ意外性を持つのかよく分からないが、居玉のまま☖6四...
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1991/7/4 富沢幹雄八段—藤井猛四段(王座戦)

感想 富沢キックで有名な富沢幹雄八段との戦い。この時71歳で、50歳差というカードだ。 序盤は藤井の後手四間飛車に富沢八段の急戦模様。富沢八段がどういう形にするかなかなか見えず、急戦ながら緩やかな感じで、藤井四段は高美濃まで組むことになった...
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1991/6/28 藤井猛四段—堀口弘治五段(新人王戦)

感想 堀口五段には4月にも対戦しており、早くも2戦目。前回負けであったためリベンジ戦となる。 本局は藤井四段の三間飛車に堀口五段の天守閣美濃。四間飛車ではなく三間飛車のため、対左美濃藤井システムとは異なる将棋になるはずである。藤井四段がどの...
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1991/6/18 藤井猛四段—安西勝一五段(順位戦)

感想 いよいよ藤井猛四段の順位戦が始まる。並べる方も気合が入る。どうでもいいことだが、番勝負やリーグの最初の将棋が先手というのはなんとなく気分が良い。 藤井四段との共著ではないが、安西五段もまた『振り飛車党宣言』の著書の一人。ここまで並べて...
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1991/6/6 深浦康市三段—藤井猛四段(若駒戦)

感想 後にバチバチの名勝負を重ねる深浦康市三段との初戦。 藤井四段の四間飛車に深浦三段が天守閣美濃を示した。☖4三銀(24手目)が早く、後に言われる「対左美濃藤井システム」が成熟していく最中の将棋と思われる。そう言えば『藤井システム』(毎日...
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1991/5/30 藤井猛四段—泉正樹六段(早指し選手権戦)

感想 ハンマー猛!藤井九段が若いころは「ハンマー猛」という渾名がついていたそうだが、本局も「ハンマー猛」らしい将棋だったのではないだろうか。 藤井四段の先手四間飛車銀冠に泉六段の居飛車穴熊という構図。『藤井猛全局集 竜王獲得まで』の自戦解説...
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1991/5/30 藤井猛四段—前田祐司七段(早指し選手権戦)

感想 藤井四段の四間飛車だが、先手四間飛車はこれが初。1991年度は先手の場合四間飛車より三間飛車の方が多く、逆に後手番では三間飛車は無く四間飛車がほとんどだ。藤井九段は「1年目は、戦法を模索していた」と振り返っており、色々指していたという...
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1991/5/30 小倉久史四段—藤井猛四段(早指し選手権戦)

感想 小倉久史四段との戦い。この2年後に、藤井四段は小倉五段、杉本昌隆四段と『振り飛車党宣言!』という本を作る。1990年代初頭も振り飛車はそれ程評価されていなかったが、若手振り飛車党たちによる熱の入った名著である。 本局は藤井四段の居飛車...
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1991/5/30 佐藤大五郎八段—藤井猛四段(早指し選手権戦)

感想 「薪割り流」という異名を持つ佐藤大五郎八段との一戦。佐藤八段は四間飛車党であり、藤井四段が居飛車を選択した。 戦型は相穴熊の雰囲気もあったが、☖9四歩☗9六歩の交換があり、藤井四段の天守閣美濃と佐藤八段の美濃囲いとなった。☗3八玉~☗...
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1991/5/9 藤井猛四段—北村昌男八段(銀河戦)

感想 昔は非公式戦だった銀河戦。本局は第1期銀河戦予選。銀河戦は藤井四段デビューの1991年に始まったことを『藤井猛全局集』で初めて知った。 本局は藤井四段が三間飛車に構えた。それを見て北村八段は穴熊。三間飛車対居飛車穴熊の構図はもう何十年...
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1991/4/12 堀口弘治五段—藤井猛四段(棋聖戦)

感想 プロデビュー後初の四間飛車。今の目で見ると四間飛車の構え方でも、☖3二銀~☖4二飛という順は新鮮に感じる。今では☖3一銀の活用は後回しにする。 本局は藤井四段の四間飛車穴熊に対し、堀口五段が銀冠から角道を開けたまま仕掛けを狙った。堅い...
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1991/4/3 藤井猛四段—山口英夫七段(棋聖戦)

感想 藤井先生のプロデビュー戦。 山口英夫七段は振り飛車党であり、藤井四段は3手目に居飛車を明示した。ところがそれを見た山口七段も居飛車にし、藤井四段のデビュー戦は相居飛車となった。 お互い早囲いからの矢倉となるが、藤井四段だけ飛車先の歩を...