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1991/10/8 藤井猛四段—高田尚平四段(順位戦)

感想 高田流左玉で有名な高田四段との順位戦。両者とも3勝1敗だ。 高田四段が☖8四歩と突かずに☖6二銀としたところで右四間飛車を悟ったか、藤井四段は16分考えて☗7八飛と三間飛車に構えた。そこからすぐ石田流に組み、☖5四銀に☗7七桂と対応し...
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1991/9/20 真部一男八段—藤井猛四段(王位戦)

感想 真部一男八段との戦い。 『将棋世界』に真部一男九段の『将棋論考』と河口俊彦八段の『新・対局日誌』が連載されていた時代、私はこの2つの連載を楽しみに『将棋世界』を買っていた。この二人の将棋の見方が自分の将棋の見方の元になっている。本局は...
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1991/9/17 植山悦行五段—藤井猛四段(順位戦)

感想 引き続き順位戦。植山悦行五段(1勝2敗)と藤井四段(2勝1敗)の戦い。 藤井四段は四間飛車に構えた。ここで初めて、☖3二銀~☖4二飛ではなく、単に☖4二飛が登場する。それに対して植山五段は☗5七銀左急戦に構えた。 ☗5七銀左急戦ではあ...
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1991/9/3 藤井猛四段—中田宏樹五段(順位戦)

感想 前節で痛い逆転負けを喫し、連敗を避けたい順位戦。1勝1敗同士の中田宏樹五段との戦い。中田五段とは2011年第70期B級1組順位戦の藤井システム復活の将棋もあって、印象的な対局相手の一人だ。年齢差はあまり感じていなかったが、藤井四段より...
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1991/8/26 森内俊之五段—藤井猛四段(新人王戦)

感想 勝浦九段の次に、その弟子の森内五段との対局という面白い対局順。藤井四段と森内五段は誕生日が近いが、四段昇段は森内五段の方が4年早く、藤井四段昇段時、森内五段は既に複数回棋戦優勝を重ねていた。若いころから将来を極めて有望視されていたこと...
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1991/8/13 勝浦修九段—藤井猛四段(全日プロ)

感想 勝浦修九段との対局。往年の名棋士との戦いが続く。 藤井四段の四間飛車に、勝浦九段は右四間飛車+天守閣美濃~米長玉銀冠に構えた。角道を止めず攻め味を見せつつ玉を堅く囲え、今でもよく指される。非常に手強い形だ。右四間飛車に対し藤井四段が腰...
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1991/8/3 森安秀光九段—藤井猛四段(早指し選手権戦)

感想 振り飛車党タイトル経験者、森安秀光九段との戦い。『藤井猛全局集 竜王獲得まで』には、今では本の中でしか見ることがない棋士との戦いも多い。棋譜が残っているだけでその棋士の姿を生々しく感じることができる。『藤井猛全局集 竜王獲得まで』の良...
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1991/7/16 藤井猛四段—松浦隆一五段(順位戦) ※指し直し局

感想 千日手指し直し局。開始時刻は深夜0時43分。朝の10時から将棋を指し、いったんすべてリセットして、深夜に一から将棋を指し始める。改めて恐ろしい世界だ。この時藤井四段は21歳、松浦五段40歳。体力的な面でも、負け将棋を千日手にできたと言...
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1991/7/16 松浦隆一五段—藤井猛四段(順位戦) ※千日手局

感想 本局の結論を先に書くと千日手である。第53期王位戦七番勝負第1局の羽生善治王位—藤井猛九段の千日手を見て、千日手局にもその棋士の生き様が宿り、魅力が詰まっていると知り、決して蔑ろにしてはいけないと思うようになった。このブログは千日手も...
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1991/7/10 藤井猛四段—池田修一六段(全日プロ)

感想 池田修一六段との戦い。 ☗7六歩☖8四歩☗6八銀という意表の出だし。今日はこの形で行くと決めていたのだろうか。私は今まで相居飛車を全く勉強してこなかったので、池田六段の駒組みがどれだけ意外性を持つのかよく分からないが、居玉のまま☖6四...
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1991/7/4 富沢幹雄八段—藤井猛四段(王座戦)

感想 富沢キックで有名な富沢幹雄八段との戦い。この時71歳で、50歳差というカードだ。 序盤は藤井の後手四間飛車に富沢八段の急戦模様。富沢八段がどういう形にするかなかなか見えず、急戦ながら緩やかな感じで、藤井四段は高美濃まで組むことになった...
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1991/6/28 藤井猛四段—堀口弘治五段(新人王戦)

感想 堀口五段には4月にも対戦しており、早くも2戦目。前回負けであったためリベンジ戦となる。 本局は藤井四段の三間飛車に堀口五段の天守閣美濃。四間飛車ではなく三間飛車のため、対左美濃藤井システムとは異なる将棋になるはずである。藤井四段がどの...
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1991/6/18 藤井猛四段—安西勝一五段(順位戦)

感想 いよいよ藤井猛四段の順位戦が始まる。並べる方も気合が入る。どうでもいいことだが、番勝負やリーグの最初の将棋が先手というのはなんとなく気分が良い。 藤井四段との共著ではないが、安西五段もまた『振り飛車党宣言』の著書の一人。ここまで並べて...
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1991/6/6 深浦康市三段—藤井猛四段(若駒戦)

感想 後にバチバチの名勝負を重ねる深浦康市三段との初戦。 藤井四段の四間飛車に深浦三段が天守閣美濃を示した。☖4三銀(24手目)が早く、後に言われる「対左美濃藤井システム」が成熟していく最中の将棋と思われる。そう言えば『藤井システム』(毎日...
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1991/5/30 藤井猛四段—泉正樹六段(早指し選手権戦)

感想 ハンマー猛!藤井九段が若いころは「ハンマー猛」という渾名がついていたそうだが、本局も「ハンマー猛」らしい将棋だったのではないだろうか。 藤井四段の先手四間飛車銀冠に泉六段の居飛車穴熊という構図。『藤井猛全局集 竜王獲得まで』の自戦解説...